




東京のウォーターフロント、江東区。
高層マンションが林立している東雲の隣町に、取り残されたような古式ゆかしい都営団地があるのをご存知であろうか?
都営辰巳一丁目アパート(都営辰巳団地)。
そこは東雲から橋1本隣に広がる、別世界。

目次

【住所】東京都江東区辰巳1丁目
【交通】東京メトロ有楽町線辰巳駅すぐ
【戸数】3,326戸
東京メトロ有楽町線の終点である新木場のひと駅手前、辰巳駅を降りてすぐ。辰巳の森海浜公園から道路挟んだ向かいに、都営辰巳一丁目アパートは広がっている。
潮風漂う空気と古き良き都営団地、その向こうに摩天楼よろしくたたずむ東雲の高層マンション群のコントラストが新鮮である。

団地概要

団地巡り
タワマンの隣に広がる、都営団地。
東京都江東区。タワーマンションなどで高い人気を誇る豊洲や東雲には、現代的な意匠の高層ビルがそれぞれ高さを競うように並んでいる。
実はその隣町である辰巳に、古式ゆかしい都営団地が広がっているのをご存じだろうか?
「都営辰巳一丁目アパート」
一般的に「辰巳団地」を呼ばれるこの団地は、完成時87棟・3,326戸を誇り、当時都内でも3番目に大規模な団地であった。(現在は建て替え計画が進んでいる)
3本の給水塔をランドマークとし、辺り一面「団地の海」。そんな、都営辰巳一丁目アパートを巡る。



給水塔
団地と給水塔。
空は青く澄み渡り、給水塔の白とのコントラストが美しい。
空と海の青を反射する、辰巳のランドマーク。
青い空にグレーの団地たち。その中央に天高くそびえるのは給水塔。タワーマンション立ち並ぶ東雲の隣に、このような古き良き団地の姿が現存しているのが驚きだ。この団地は昭和40年代の造成と古く、現在でも給水塔が立ち並ぶ「古き良き団地」なのだ。
給水塔は辰巳一丁目で3街区に分かれるそれぞれ1棟ずつ、合計3棟あり、辰巳のランドマークとして現在でも存在感を示している。



高層棟
そろった形の高層棟。
生活感あふれる廊下。
辰巳駅前にそびえる壁。
東京メトロ有楽町線の辰巳駅に降り立ち、地下鉄出口を出るとまず目の前に、壁のような大きな高層棟がそびえ立っている。辰巳一丁目アパート86号棟だ。高層棟としてはこの他、後年に建てられた「2号棟」が存在、そちらは1F部分が商店街として機能しており、賑わいを見せている。一般的な廊下型アクセス棟であるこの棟は、築年数を重ねて生活感にあふれている。
ちなみに、辰巳団地の「辰巳」の由来は、皇居からみて辰巳の方向にあるからというシンプルなもの。



中層棟
高層棟から見下ろす中層棟。一糸乱れず並ぶ姿は壮観である。
廊下型アクセス棟。

階段型アクセス棟。

中央に階段を備える、都営アパートらしい階段型アクセス棟も存在。
海と空の青・団地のグレー。
多摩ニュータウン永山団地のように広がる、団地の海。中層棟は一般的な階段アクセス棟が主であるが、一部は廊下型アクセス棟、多摩川住宅のような階段が住棟面に平行なタイプも存在している。中層棟と給水塔が同じ視界に見えることも少なくなく、「ザ・団地」という雰囲気。
中央部の区画49・51号棟の1F部分は「たつみ商店街」として、蕎麦屋さんや雑貨屋さんなどの店が並んでいる。

作品撮り






都営辰巳一丁目アパートをみると、「ウォーターフロントに取り残された限界団地」といった趣である。しかしそこには確かに生きている人々がいて、ある意味「ありのままの姿」を映しているようにも思う。近年は都営団地の建て替えも進んでおり、この辰巳一丁目アパートも建て替え計画が進んでいる。近年都営団地のその他の建て替え棟をみると、高層化を図り土地の有効活用を進めている節があり、この辰巳一丁目アパートもその例に漏れないのではないかと推察される。
装飾されたマンションが多くなり、近隣地区はタワーマンションに囲まれている中で、辰巳一丁目アパートは今後どうなっていくのであろうか。世代交代、建て替えなど、様々な要素が絡む今後を注視していきたいと思う。

まとめ
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