




青い空、白い雲。
緑は生い茂り、団地は穏やかに佇んでいる—
神奈川県営浦賀かもめ団地。
そこは、海を背にして広がる”うみまち団地”である。

【住所】神奈川県横須賀市鴨居
【交通】京急浦賀駅よりバス約20分
【戸数】1,689戸
品川から「赤い電車」に乗り、ひたすら浦賀へ。
浦賀は昔から造船業などが盛んであり、街には独特の活気がある。
浦賀の駅を降りて銀色の京急バスで揺られると見えてくる団地。
神奈川県営浦賀かもめ団地である。
同じ県営のいちょう団地と住棟の構造はあまり変わらないが、その海に沿った立地が美しい団地である。

About
団地概要

Portrait
作品撮り








海と団地と青空と。
青い空と白い雲の境界線。境界線には、グレーの団地と覆いかぶさるような緑で満たされている—
浦賀かもめ団地の光景である。神奈川県営住宅の標準的な住棟構造が、浦賀の美しい海沿いに映える。適度にみえる錆がその団地の情緒性を一層高めて、団地の中に物語を生み出す。

Danchi
団地めぐり
潮風纏う団地。
団地に漂う潮風。バランスよく並ぶ高層棟と中層フラット棟の団地。海沿いの低層棟は色褪せているが何色かに色分けされ、良い景観である。
「神奈川県営浦賀かもめ団地」
鴨居白潟海岸を埋め立てた上で、昭和44年より建設された神奈川県営住宅である。
団地は埋立地中央に大通りとして小規模な商店街が展開され、その両端に住棟がバランスよく配棟されている。潮風による腐食も一部目立つが、団地は健気に海を向いて佇んでいる。

神奈川県営住宅の特徴の銘板。

高層棟から内陸側をのぞむ。

中層フラット棟をのぞむ。

画一的意匠の高層棟をみあげる。
海を見る団地。
同じ方向を向いて、健気に海を見つめる団地。
敷地を見ると厳密に平行であったりと効率的配置には見えないかもしれないが、これには訳がある。
団地には「冬至4時間日照」という原則があり、当時の時期でもどの戸であっても日照時間4時間を確保しようという設計方針である。
この方針に従い配棟を進めると、丁度綺麗に南を向いたということである。
健気に海を見つめる団地。その姿はその姿はどこか愛おしい。

Danchi Photos
団地写真













Archive
アーカイブス


浦賀かもめ団地では現在、「健康団地」と称して空いた商店街スペースに医療機関や介護福祉機関を誘致している。
現在高齢化著しい団地。特に浦賀など交通の不便な場所であれば尚更である。現在浦賀かもめ団地では数件の診療所や薬局の誘致に成功し、この「健康団地」作戦は一定の成果を上げているように見える。
高齢化進むこれからの団地はどうなるのか。浦賀かもめ団地はその一つのケーススタディとなり得るかもしれない。